質疑応答
7.00 走者
1【問】 1アウト走者一塁のとき、打者が左中間にフライを打った。走者は抜けると思い二塁を経て三塁に向かったが、左翼手が捕球したので、走者は二塁を踏まずに一塁へ戻った。このとき二塁手は、一塁走者の二塁空過に気が付いて、二塁に触球してアピールした。どう処置したらよいか。
【答】 逆送の場合も必ず通過した塁を逆の順序で触れて戻らなければならない。したがって二塁に触れていないのでアピールによってアウトになる。(7.02、7.10b)
2【問】 走者二・三塁、投手のけん制球で三塁走者は三・本間に挟まれたが三塁に戻った。このとき、二塁からの走者も三塁に着いていた。三塁手は二人の走者に触球した。いずれの走者がアウトになるか。
【答】 後位の走者、すなわち二塁からの走者がアウトである。(7.03)
3【問】 三塁に二人の走者が触れていた。野手はまず三塁の走者に触球した。三塁走者はアウトと思って塁を離れた。次に二塁走者にも触球した。この場合審判員は、どう処置したらよいか。
【答】 この状態では、両走者ともアウトではない。塁を離れた三塁走者に再び触球すればアウトである。このような誤りがないように、審判員は、塁についている三塁走者に触球したとき、セーフ≠ニコールする。(7.03、審判上の取り決め事項12関連)
4【問】 2アウト満塁、打者は四球で一塁に進んだ。塁についた後、二塁の方向へ不用意に塁を離れたので捕手は一塁へ送球して走者をアウトにして攻守交代となった。三塁の走者は一塁走者がアウトになったのちにホームインした。この場合得点は認められるか。
【答】 得点は認められる。(7.04b原注、注、4.09a注2)
5【問】 1アウト走者二塁のとき、打者がベンチ前にフライを打った。捕手はこれを捕らえたが、ベンチ内に倒れ込んでしまった。どう処置したらよいか。
【答】 打者アウト。ボールデッドとし、二塁走者を三塁に進塁させる。ただし、捕手が捕球後ベンチに踏み込んでも、倒れ込まなかったときは、ボールインプレイであるから、各走者はアウトを賭して進塁することができる。(7.04c、5.10f、6.05a)
6【問】 1アウト走者二塁、ファウルフライを捕手がダッグアウトの中に入り込んで捕球した。これを見た二塁走者はリタッチして三塁に進塁した。どう処置したらよいか。
【答】 ダッグアウト内に入って捕球したので、ボールデットになり、ファウルボールで、走者は二塁に戻る。(6.05a原注)
7【問】 走者一・三塁のとき、打球が野手に触れずに内野内に位置している審判員に触れた。どう処置するか。
【答】 ボールデッドとし、打者を一塁に、一塁走者を二塁に進め、三塁走者は留め置く。(7.04b(2)、6.08d、5.09f)
8【問】 打者が遊撃手頭上にライナーを打った。遊撃手は打球にグラブを投げ当てたが、左中間を抜けていった。打者走者は三塁を空過し本塁に向かったとき、空過に気付き帰ろうとしたが、それより早くボールは転送されて三塁手が塁上でアピールした。このアピールは成立するか。
【答】 ボールインプレイで三塁までの安全進塁権を得ただけであるから、アピールによりアウトになる。(7.04付記、注、7.05c、e(bcde注))
9【問】 打者が二塁手頭上にライナーを打った。二塁手はグラブを投げ、打球に触れたが、打球は右中間深く転がった。これを見た打者走者は一気に生還した。得点になるか。
【答】 ボールインプレイであるから、三塁を得た打者走者はアウトを賭して本塁へ進んでもよい。したがって得点となる。(7.05c、e(bcde注))
10【問】 打者がホームラン性のフライを打った。野手が打球にグラブを投げて当てたため、打球はグランド内に落ちた。どう処置したらよいか。
【答】 グラブに当たらなければホームランになったと審判員が判断したときは本塁を与える。(7.05a)
11【問】 打者が打ったライナーに野手がグラブを投げたが打球に当たらなかった。攻撃側はグラブを投げたから3個の塁が与えられるのではないかと申し出た。どう処置したらよいか。
【答】 グラブを投げても打球に当たらなければなんら罰則はない。送球の場合も当たらなければ同じである。(7.05e(bcde原注))
12【問】 打者が遊撃手頭上にライナーを打った。遊撃手がグラブを投げて打球に当てたがボールは左中間に転がった。打者は三塁まで進塁できる規則があるが、二・三塁間を走っていたとき、外野手からの送球が悪送球となってスタンドに入った。このような場合どこまで走者を進めるか。
【答】 ボールデッドとなり、打者走者は既に二塁を過ぎているから、送球が外野手の手を離れたときを基準として、2個の塁が与えられるので本塁まで進ませる。ただし、一・二塁間を走っているときは三塁までしか進めない。(7.05c、g)
13【問】 三・本塁間のファウル地域を転がっている打球に三塁手がグラブを投げ当てた。どう処置したらよいか。
【答】 ファウルボールの場合はペナルティがない。(7.05c関連)
14【問】 本塁前ゴロを捕った捕手の一塁送球が高くそれたので、一塁手はミットを送球に投げ当てた。どう処置したらよいか。
【答】 打者は二塁まで安全に進める。二塁に達したのちはアウトを賭して進塁してもよい。(7.05e(bcde注))
15【問】 走者一塁、投手が投手板から一塁に送球したが、横に逸れたため一塁手はミットを投げ当てた。どうしたらよいか。
【答】 一塁走者は投げ当てた瞬間から2個の進塁を認める。(7.05e(bcde注))
16【問】 打者が第3ストライク目の投球を空振りしたが、捕手がこれを後逸し、転々としているボールにミットを投げ当てた。どう処置したらよいか。
【答】 打者走者に1個の塁を与える。この際はボールインプレイである。(7.04e)
17【問】 走者一塁、打者は大きなフライを打ったがワンバウンドで外野フェンスの金網に挟まった。一塁走者はホームイン、打者走者は三塁に達した。どう処置したらよいか。
【答】 ボールデッドとし、打者に2個の塁が与えられる。したがって一塁走者は三塁に、打者は二塁に戻す。(7.05f(2))
18【問】 走者一塁、打者は右翼に浅いフライを打った。一塁走者は一・二塁間で様子を見ていたが、右翼手はフライを捕らえることができず、三塁へ送球したがこれが悪送球となってスタンドに入った。打者走者は右翼手が送球する前に一塁を越えていたが、一塁走者はまだ二塁に達していなかった。どう処置したらよいか。
【答】 ボールデッドとし、走者二・三塁で再開する。(7.05g原注1)
19【問】 1アウト走者一・二塁、ヒット・エンド・ランが企てられ、打者は右中間へフライを打った。進塁を企てスタートをきっていた二塁走者はリタッチのため三塁直前から二塁に戻ろうとしたが、一塁走者は二塁を越えており、二・三塁間に二人の走者がいたとき、捕球した中堅手からの一塁への送球が悪送球となってスタンドに入った。二塁を越えていた一塁走者にも本塁が与えられるか。
【答】 本塁は与えられない。リタッチを果たさなければならない塁、つまり投手の投球当時占有していた塁(一塁)が進塁の基準となるから三塁が与えられる。(7.05g原注1、i原注2)
20【問】 前問で、センターフライを捕球できず、落球した中堅手からの悪送球がスタンドに入った場合は二塁を過ぎていた一塁走者には本塁を与えられるか。
【答】 リタッチを果たす必要がないので一塁走者にも本塁が与えられる。この場合は悪送球が野手の手を離れたときの走者の位置(二塁)を基準として2個の塁が与えられる。(7.05g)
21【問】 1アウト走者一・二塁、打者の打った遊ゴロを遊撃手はファンブルし、あわてて一塁に送球したが悪送球となってスタンドに入った。一塁走者は二塁の直前で転んだため、遊撃手が一塁に送球したときには、まだ二塁に達していなかったが、打者走者は既に一塁に達していた。どう処置したらよいか。
【答】 ボールデッドとなり、二塁走者は本塁へ、一塁走者は三塁へ、打者は二塁へ進ませる。(7.05g原注1)
22【問】 1アウト走者一塁、打者が二塁後方にフライを打った。二塁手はこれを落球したので、この間に一塁走者は三塁に向かい、打者は一・二塁間にいた。中堅手が三塁に送球したが悪送球となってスタンドに入った。各走者をどこまで進ませるか。
【答】 ボールデッドとし、一塁走者を本塁へ、打者を三塁に進塁させる。(7.05g)
23【問】 走者一塁、投球が暴投となりベンチに入った。その間に走者は三塁まで進んだ。どう処置したらよいか。
【答】 1個の塁しか与えられないから、走者は二塁に戻す。(7.05h)
24【問】 1アウト走者一塁、打者が2ストライク後の投球を空振りしたが、捕手は後逸し三塁側のベンチの方に転がった。取りに行った三塁手はこのボールを蹴ってしまい、ベンチへ入れてしまった。どう処置したらよいか。
【答】 打者アウト。ボールデッドとし、一塁走者には2個の塁を与え三塁へ進ませる。(7.05h、付記 6.05c)
25【問】 狭い運動場などでグランドルールを決める場合、エンタイトル・ワンベース≠ニいう決め方があるが、これはどういうことか。
【答】 普通正規の球場で適用されているグランドルールはエンタイトル・ツーベース≠ナある。これはボールインプレイ中に野手の送球がボールデッドになる個所に入った場合、「打球処理直後の内野手の最初の悪送球」「その他の送球」の区分によって走者(打者走者を含む)に2個の塁を与えることである。
狭い運動場等では、このような悪送球がなされた場合、走者(打者走者を含む)に2個の塁を与えることは守備側に極めて不利になるので、1個の塁しか与えないという規定である。この場合、野手が送球に触れたかどうかには関係なく適用されるものである。
したがってこのような特別ルールは、試合前に大会主催者、審判員、チームの代表者によって決めておくのがよい。(7.05、g関連)
(例1)内野ゴロを打った打者走者をアウトにしようとした内野手が一塁に悪送球し、スタンドまたはベンチに入った場合、打者には一塁を与えるに過ぎない。
(例2)一塁走者に対するけん制球が同様の個所に入った場合、投手板上からの送球も、投手板をはずした場合も同じく二塁に進める。
(例3)二・三塁間で挟殺プレイ中、野手の送球が前記の個所に入った場合も三塁に留める。ただし、送球が野手の手を離れたとき走者がすでに三塁に達していたら本塁を与える。
(例4)外野に長打した打者走者が二塁を回ったとき、外野手がアウトにしようとした送球(中継した場合はその野手の送球)が前記の個所に入った場合三塁を与える。
26【問】 走者二・三塁、二塁走者が投手のけん制で二・三塁間で挟撃された。走者が二塁へ帰ろうとしたときボールを持たない遊撃手と衝突した。審判員はオブストラクション≠宣告したが、各走者はどこまで進塁できるか。
【答】 ボールデッドとし、二塁走者は三塁へ、三塁走者は押し出されて本塁へ進む。(7.06a注2)
27【問】 挟殺プレー中、走者がボールを持たない野手に抱きついていった。どう処置したらよいか。
【答】 オブストラクションにしてはいけない。したがってボールインプレイであるから触球されればアウトである。(7.06a)
28【問】 挟殺プレー中、走者が捕球するまねをしている野手と衝突した。オブストラクションか、それとも守備妨害か。
【答】 オブストラクションである。野手がボールを持っているか送球を捕ろうとしている場合以外は、衝突すればオブストラクションとなる。(7.06a、付記、2.51原注)
29【問】 走者一・三塁、三塁走者が投手のけん制で追い出され、挟殺プレイ中にボールを持たない野手と衝突してオブストラクションによって本塁が与えられた。挟撃プレイ中に一塁走者は走り続けオブストラクション発生時には三塁の近くまできていた。一塁走者は二塁までか、それとも三塁まで進めるか。
【答】 三塁である。(7.06a注3)
30【問】 挟撃プレイ中、送球が走者の背中に当たり、走者の前で送球を捕らえようと待っていた野手と衝突した。どう処置したらよいか。
【答】 ボールを持たない野手に走者が衝突したのであるから、オブストラクションである。(7.06a注1、2.51原注)
31【問】 一・二塁間で挟撃プレイ中、悪送球がありボールがベンチに入った。その悪送球が野手の手を離れた直後、オブストラクションが発生した。オブストラクションを受けた走者の与えられる塁はどこまでか。
【答】 オブストラクションと関係なく2個の塁が(三塁)が与えられる。(7.05g、7.06a原注)
32【問】 前問で、悪送球が野手の手を離れる前にオブストラクション発生した。オブストラクションを受けた走者の与えられる塁はどこか。
【答】 二塁である。オブストラクションでボールデッドとなるから、オブストラクション以後のプレイは無効となる。(7.06a)
33【問】 走者二塁、遊撃手がフェイント気味にけん制に入り、すぐ守備位置に戻ろうとしたとき帰塁しようとする走者と衝突した。このとき、二塁をカバーした二塁手に送球され触球アウトとなった。どう処置したらよいか。
【答】 オブストラクションで走者を三塁に進ませる。(7.06a)
34【問】 打者が右翼線に長打して三塁へ進塁を企てたので、右翼手はそれを阻もうとして直接三塁へ送球したが、打者走者は二塁を越えたところでボールを持たない遊撃手と衝突した。どう処置したらよいか。
【答】 オブストラクションでボールデッドとなり、打者走者を三塁に進める。(7.06a注3)
35【問】 0アウト走者二塁、打者が三ゴロを打った。三塁手は走ってきた二塁走者に触球し、さらに一塁へ送球したが、一塁手に達する前に打者走者が前を横切った投手と衝突して倒れた。どう処置したらよいか。
【答】 二塁走者はアウトで1アウトとなり、打者走者にはオブストラクションで一塁が与えられる。(7.06a注4)
36【問】 1アウト走者二塁、二ゴロを打った打者が本・一塁間を横切ろうとした投手と衝突した。どう処置したらよいか。
【答】 オブストラクションで打者は一塁へ、二塁走者はオブストラクションがなければ三塁に達したであろうと判断されれば三塁へ進める。(7.06a注3)
37【問】 二ゴロを打った打者走者が本・一塁間を横切ろうとした投手と衝突した。しかし、衝突したときよりも一塁でのアウトの方が早かった。オブストラクションか。
【答】 アウトになった後での衝突だから、オブストラクションとはならない。(7.06a関連)
38【問】 走者二塁、打者は中前安打した。走者は本塁にヘッドスライディングしたが、ボールを持たない捕手が三・本塁線上にいたので、触球することができなかった。そこへ捕手がタッグした。どう判定したらよいか。
【答】 捕手はボールを持たないで、得点しようとしている走者の進路をふさぐ権利はない。オブストラクションでホームインを認める。(7.06a付記、2.51原注)
39【問】 1アウト走者二塁、打者は中堅前に安打した。二塁走者は本塁を突いたがアウトになった。打者走者は一塁を回ったところでボールを持たない一塁手と衝突して倒れた。しかし、すぐ起きあがって二塁へ走ったが捕手の送球でアウトになった。どう処置したらよいか。
【答】 本塁のプレイはそのまま認められ二塁走者はアウト。一塁塁審は一塁手を指してオブストラクションのシグナルをし、プレーの落着後協議して、二塁まで進塁できたと判断した場合はオブストラクションで二塁に進める。進塁できないと判断した場合はアウトである。(7.06b、原注、注1)
40【問】 右翼線に長打した打者走者が二塁を回ろうとしたとき、二塁手はボールを持たないのにタッグのまねをした。走者はよろけたが走り続けて三塁寸前でアウトになった。どう処置したらよいか。
【答】 オブストラクションで打者走者を三塁に進ませる。(7.06b、試合中の禁止事項7)
41【問】 打者が長打し一・二塁間で二塁手に妨害された。三塁への進塁は明らかに無理だと思われたが打者走者は三塁に走りアウトとなった。このようなときはどう処置したらよいか。
【答】 オブストラクションを宣告されても、審判員が二塁しか進めないと判断したのに三塁まで欲ばってアウトになったのだから、打者走者はアウトである。(7.06b、原注、注1)
42【問】 打者が中堅前に安打し、一塁を回ったときボールを持たない一塁手と衝突して倒れた。中堅手から一塁へ送球されてアウトになった。どう処置したらよいか。
【答】 オブストラクションで打者走者を一塁に生かす。(7.06b)
43【問】 走者二塁、打者は右翼前に安打した。二塁走者は三塁を回って本塁をうかがい。打者走者は一塁を回ったところでボールを持たない一塁手に走塁を妨害された。右翼手から本塁への送球が悪送球となり、スタンドに入った。どう処置したらよいか。
【答】 二塁走者は本塁へ、妨害を受けた打者走者は三塁まで進ませる。このオブストラクションはボールインプレイ中であり、この間に悪送球がスタンドに入ったのであるから、妨害された打者走者は、悪送球が野手の手を離れたときにいた位置を基準として、2個の塁が与えられる。(7.06b、7.05g)
44【問】 1アウト走者三塁、スクイズが行われた。慌てた捕手が打者の構えているバットに触れたので打者はバントできなかった。どう処置したらよいか。
【答】 投手にボークを課し三塁走者は本塁へ、打者には打撃妨害で一塁を与える。(7.07、注2)
45【問】 1アウト走者二、三塁、スクイズが行われたとき、打者のバットが捕手のミットに触れてバントができなかった。三塁走者は本塁へ走っていたが、二塁走者は二塁を離れただけだった。どう処置したらよいか。
【答】 投手にボークを課し、三塁走者の得点を認め、二塁走者も1個の進塁が認められる。また、打者は打撃妨害で一塁が与えられる。(7.07注2、7.04d、6.08c)
46【問】 1アウト走者三塁、走者は本塁突入のまねをしたが途中で止まった。捕手は三塁走者につられてホームプレート上に出た。しかし、打者はバントして投ゴロとなった。三塁走者は帰塁し打者は一塁アウトとなった。どう処置したらよいか。
【答】 打撃妨害で打者に一塁を与え、走者一・三塁で再開する。(7.07注1、6.08c)
47【問】 2アウト走者三塁、三塁走者がホームスチールを行ったので、打者はバッターボックスの外に出て走路をあけた。捕手はホームプレート上に出て投球を捕らえ、本塁直前で走者にタッグした。どう処置したらよいか。
【答】 打者がボックス内にいようと、いまいと、捕手がホームプレート上で投球を捕らえたら、走者にはボークで本塁を与え、打者には打撃妨害で一塁を与える。(7.07注1、7.04d、6.08c)
48【問】 走者が二・三塁間で挟撃され、ボールを持った三塁手が走者を追いかけた。走者は走路外に離れたので、三塁手は触球行為をしないで審判員にアウトではないかと抗議した。どう処置したらよいか。
【答】 三塁手の触球の動作がない限り、走者が塁を結ぶ直線より左右3フィート以上離れてもアウトにはならない。(7.08a、(1)、注1)
49【問】 最終回の裏2−2の同点で、1アウト走者一・三塁のとき打者は場外本塁打した。三塁走者がホームインしたので、一塁走者は二塁に進んだあとベンチへ引き上げてしまった。打者は正規に塁に触れて本塁に進んだ。この試合の得点は何点か。
【答】 打者の本塁打は認められ、4−2で後攻チーム勝ちとなる。(7.08a(2)原注)
50【問】 一塁走者が二盗したとき、捕手からの送球で二塁手に触球されたのでアウトと思い込み、審判員の宣告を聞かずにベンチに向かって行った。どう処置したらよいか。
【答】 走者がアウトと思いこんだまま、気付いて戻ることを断念しなければならない距離まで塁から離れたときは、その走者を走塁放棄でアウトを宣告する。(7.08a(2)原注)
51【問】 1アウト満塁、打者が二ゴロを打った。一塁走者は途中打球を処理しようとしていた二塁手と衝突した。三塁走者は生還、二塁走者も三塁へ進んだ。どう処置したらよいか。
【答】 ボールデッドとなり一塁走者は守備妨害でアウト。各走者は元の塁に戻らせ打者には一塁を与える。ただし、一塁走者が併殺を行わせまいとして故意に野手を妨害したと審判員が判断したときは、打者に対してもアウトを宣言する。(7.08b原注1、7.09f、j)
52【問】 1アウト走者二塁、打者が遊ゴロを打った。打球を捕らえた遊撃手が一塁に送球しようとした手に、走者が触れたため球を落とした。どう処置したらよいか。
【答】 走者は守備妨害でアウトになる。打者には一塁を与える。(7.08b原注1、注1)
53【問】 1アウト走者三塁、打者が三塁ベース近くにフライを打ち上げた。三塁走者は塁上で打球を捕らえようとする三塁手を押して、妨害をしたため捕球することができなかった。どう処置したらよいか。
【答】 走者と打者の二人をアウトにする。2アウト後のときは打者をアウトにする。(7.08b原注1)
54【問】 走者一・三塁、三塁走者が三・本塁間で挟殺され、守備妨害でアウトになった。一塁走者はこの挟撃中に二塁を過ぎ、更に三塁へ向かっていた。どう処置したらよいか。
【答】 ボールデッドとなり、一塁走者の二塁占有が許される。(7.08b原注2)
55【問】 走者二・三塁、三塁走者が三・本塁間で挟撃中、両手を高く上げて野手の送球に触れたので守備妨害でアウトとなった。二塁走者はその守備妨害の起こる前に三塁に達していた。どう処置したらよいか。
【答】 ボールデッドとなり、三塁に達した走者を二塁へ戻す。(7.08b原注2)
56【問】 1アウト満塁、三塁走者がホームスチールをしたとき、遊ゴロが打たれ、野手がファンブルしたボールを二塁走者は故意にけとばした。このとき三塁走者は本塁に達していたが、打者走者はまだ一塁に達していなかった。どう処置したらよいか。
【答】 ボールデッドとして、守備妨害で二塁走者アウト。三塁走者を元の塁に戻し、打者は一塁、一塁走者を二塁として2アウト満塁で試合を再開する。(7.09k、7.08f、5.09f)
57【問】 二塁走者が、三盗のとき足を故意に高く上げてスライディングしたため、三塁手は捕手からの送球を落球した。どう処置したらよいか
【答】 守備妨害で走者をアウトにする。「連盟」では、故意に足を高く上げてスライディングすることは危険防止のため禁止する。(7.08b、試合中の禁止事項6)
58【問】 一塁走者が二盗を行い二塁に達したが、走者のスライディングが激しく二塁のキャンバスが定位置から離れてしまった。走者はこのキャンバスバッグと定位置との間にいたので、捕手からの送球を受けた二塁手は走者にタッグした。どう処置したらよいか。
【答】 走者のスライディングでキャンバスバッグが定位置から離れたときは、その走者に対してはどのようなプレイもできないからセーフである。(7.08c付記2)
59【問】 走者一塁、打者は二塁打を打った。一塁走者は二塁をけってキャンバスバッグを移動させたまま三塁に進み、打者は二塁キャンバスバッグのあった元の位置に達した。これでよいか。
【答】 キャンバスバッグが移動したときは、次の走者は元の位置についていればよい。塁のバッグがとめてない場合には、元のベースの位置がはっきり分かるようにしておかなければならない。(7.08c付記3)
(参考)その方法には一塁・二塁、二・三塁間に白線を引くか、または、各ベースの位置がはっきり分かるように標示する。たとえば、ベースの位置にゴムまたはビニール紐を埋める。
60【問】 四球を得た打者が一塁に触れた後、1・2歩ベースを走り越した。これを見た捕手は一塁に送球、打者走者が一塁に帰塁する前にタッグした。どう処置したらよいか。
【答】 アウトではない。安打・失策などによって一塁に達した打者走者と同じに扱う。ただし四球目の投球を捕手が後逸したときなどで、二塁へ進もうとする行為を示せば触球アウトの状態に置かれる。(7.08c付記1、注1)
61【問】 四球を得た打者が一塁に触れたあと、コーチスボックスの方へ行きかけて塁を離れたので、一塁手が触球した。アウトになるか。
【答】 アウトである。走者が塁を離れるときは、タイム≠要求し、審判員がタイム≠宣告した後でなければならない。(7.08c)
62【問】 1アウト走者一・三塁のとき、打者が外野フライを打った。三塁走者はリタッチ(再度の触塁)して本塁を踏んだ。この後、セットポジションをとった投手は軸足を後方にはずして一塁にけん制するまねをした。このとき三塁手からアピールのため、ボールの要求があったので投手は三塁に送球した。どう処置したらよいか。
【答】 送球するまね(偽投)は「プレイやプレイの企て」とみなされない。よって、三塁へのアピールはできる。(7.08d、7.10)
63【問】 一塁走者が二塁へ盗塁したとき、捕手はファウルチップした球を二塁に送球したがセーフとなった。どう処置したらよいか。
【答】 ファウルチップは、ボールインプレイであるから走者はセーフである。(7.08d原注、2.34)
64【問】 走者一塁のとき、打者が三塁線へフェアのゴロを打ったが三塁手はファンブルした。一塁走者は1度二塁に達したが、ファウルボールと勘違いして一塁の方へ戻ったので、三塁手は二塁上の二塁手に送球した。どう処置したらよいか。
【答】 どのような理由にせよ。元の塁の方へ離れた場合は、再びフォースの状態におかれるから、一塁走者は二塁でフォースアウトになる。(7.08e、注2)
65【問】 1アウト満塁、打者は一ゴロを打った。守備側は併殺を狙い3−6−3と送球したが、一塁走者はスタートよく二塁でセーフ、打者走者は一塁でアウトになった。ところが一塁手は二塁に達した走者が大きく離塁していたのを見て、再び二塁に送球してアウトにし3アウトとなった。得点はどうなるか。
【答】 併殺プレイではあるが、二塁走者のアウトはフォースアウトではないから、そのアウト以前に走者が本塁を踏んでいれば得点は認められる。(7.08e原注)
66【問】 1アウト走者一・二塁、打者は遊撃手と左翼手との中間に高いフライを打った。二塁走者は二塁ベースについていたが、一塁走者は安打になると思って二塁へ走った。結局左翼手が落球し、すぐ拾って二塁へ送球した。野手は先ず塁上の二塁走者に触球、続いて一塁走者にも触球した。いずれの走者をアウトにするか。
【答】 野手が落球したために、各走者は進塁しなければならない。したがって前位の二塁走者は三塁に進まねばならないから、たとえ二塁についていても触球されればアウトになる。なお、一塁走者は二塁上にいればセーフである。(7.08e注1、7.03b)
67【問】 走者一・三塁、打者が二ゴロを打った。前進守備をしていた二塁手は球を処理しようとしたがトンネルし、すぐ後ろを走っていた一塁走者に球が触れた。どう処置したらよいか。
【答】 他の内野手が、この打球を守備する機会がなかったときはそのままボールインプレイである。(7.09k(2)、5.09f(2))
68【問】 1アウト走者一・二塁、打者は遊ゴロを打ったが、遊撃手のグラブをはじいた球が二塁走者に触れた。遊撃よりに近づいていた三塁手は、そのボールを捕って一塁走者を二塁でアウトにした。どう処置したらよいか。
【答】 一塁走者はアウト。この場合ボールインプレーであるからプレーはそのまま続けられる。(7.09k(1)、5.09f(1))
69【問】 走者一・二塁、打者が高いバウンドで投手を越えてゆくゴロを打った。一塁走者は二塁近くでこの打球にあたった。どう処置したらよいか。
【答】 一塁走者は直接打球に触れたからアウト。ボールデッドとなり、打者には一塁を与え、二塁走者は元の二塁に戻す。(7.09k、6.08d、7.08f、5.09f)
70【問】 走者二塁、遊撃ゴロが野手の直前でイレギュラーバウンドして遊撃手の頭上はるか高く越えた。その直後を走っていた二塁走者に当たった。どう処置したらよいか。
【答】 ボールデッドとなり、二塁走者をアウトにし、打者には一塁を与える。(7.09k、7.08f、5.09f、規則適用上の解釈(1)関連)
71【問】 三遊間の打球を捕りに行った遊撃手のすぐ右側方を抜けて、二塁走者にあたった場合はどうか。
【答】 容易に守備できた範囲の打球に、すぐ後ろで当たっても、この打球に対して他の内野手が守備する機会がない場合はアウトにはならない。しかし、守備する機会があったと審判員が認めた場合はアウトになる。(7.09k(2)、5.09f(2))
72【問】 1アウト走者二塁、打者が三塁手の横にライナーを打った。三塁手はこの打球をはじいたが、走者に当たり地面に触れないうちに遊撃手が捕って一塁に送球した。しかし打者走者はすでに一塁に達していた。守備側は打球が一度も地面に触れなかったので、二人の走者はアウトであると申し出た。どう処置したらよいか。
【答】 いったん三塁手に触れてから、走者に当たった球は、地面に触れたものと同様にみなされるので直接捕球とはならず、そのまま成り行きである。(7.09k(1)、2.15、5.09f原注)
73【問】 走者二塁のとき、打者の打球がキャンバスバックに当たりフェア地域を転がっているとき、二塁からの走者に当たった。どう処置したらよいか。
【答】 フェアの打球が直接走者に当たったと同様、走者をアウトにする。(7.08f注2)
74【問】 走者三塁、三塁ベースに当たった打球がファウル地域に反転し、三塁に戻ろうとしていた走者に当たった。どう処置したらよいか。
【答】 ボールインプレイで走者はアウトにならない。(7.08f注3)
75【問】 0アウト走者一・二塁、打者が内野フライを打ったので、球審はインフィールドフライ≠宣告した。しかし、野手は落球し、あわてて三塁に進もうとする走者をアウトにするため三塁へ送球したが、悪送球となったので二塁走者は本塁へ、一塁走者は三塁へ、打者走者は二塁に達した。どう処置したらよいか。
【答】 インフィールドフライはボールインプレイであり、打者だけがアウトになる。したがって他の走者は進塁してよい。(6.05e、2.40)
76【問】 0アウト満塁、打者が二塁近くにフライを打ち上げ、インフィールドフライ≠ェ宣告された。ところがこの打球が塁上にいた走者に直接当たった。どう処置したらよいか。
【答】 インフィールドフライと宣告された打球に限り、塁についている走者に触れてもその走者はアウトにならず、ボールデッドとなり打者だけをアウトにする。(7.08f例外、注5)
77【問】 1アウト走者一・二塁、二塁の走者が三盗したとき打球が三塁へのフライとなりインフィールドフライ≠ェ宣告されたが、三塁に進んだ走者に塁上で当たった。どう処置したらよいか。
【答】 インフィールドフライと宣告された場合、フライが塁についている走者に触れてもアウトにならない。しかし塁とは、投手の投球当時占有していた塁であって、このように次塁へ進んだときの塁ではない。したがって打者はインフィールドフライでアウト。三塁に進んだ走者もアウトである。(7.08f例外、注4)
78【問】 1アウト走者一・二塁、打者が二塁近くにフライを上げ、インフィールドフライ≠ェ宣告された。二塁走者は三塁へ向かっていたが、二塁へ帰塁しようとしたとき打球に当たった。どう処置したらよいか。
【答】 打者と走者の二人がアウトになり、ボールデッドとなる。(7.08f注1、注5)
79【問】 1アウト走者三塁、スクイズプレイが行われた。投手はアウトコースにはずして投球した。打者は三塁走者が本塁近くまできていたので、あわてて片足をバッターボックスの外に踏み出して打ち、打球は三塁前に転がった。どう処置したらよいか。
【答】 反則打球となる。したがって打者をアウトにし、ボールデッドで走者は投球当時に占有していた三塁に戻す。(6.06a原注、5.09d)
80【問】 前問の場合で、打者が片足をバッターボックス内に置き、他の足をホームプレートの上方空間に出してバントしたが、打ち終わってから足を下ろしたところがホームプレートの上であった。どう処置したらよいか。
【答】 バントしたとき、片足または両足がホームプレート上方空間にあった場合は、下ろした場所がバッターボックスの外でも反則打球とはならない。(7.08g注2,6.06a原注)
81【問】 スクイズプレイが行われ、打者がバッターボックスの外に片足を踏み出してバントしたが投球がバットに触れなかった。どう処置したらよいか。
【答】 バットに触れないときは反則打球にはならない。空振りでストライクをカウントする。(7.08g注2)
82【問】 前問の場合で、打者が投球を見送った場合は、どう処置したらよいか。
【答】 ボールまたはストライクをカウントする。(7.08g注2)
83【問】 1アウト走者三塁、打者のカウント3−2のとき、三塁走者が本塁へ突入するのを見て、投手はセットポジションの姿勢から軸足を投手板の後方にはずして捕手に送球した。打者はこの球を打って安打したので、三塁走者は生還し打者は一塁に進んだ。どう処置したらよいか。
【答】 送球を打ったのだから守備妨害で三塁走者をアウトにし、打者はノーカウントとする。なお、2アウトのときは打者をアウトにする。(7.08g注2、7.07注4,7.09c、6.06c)
84【問】 前問の場合で、空振りはどう処置したらよいか。
【答】 打者が打つか打たないかにかかわらず、捕手の守備を妨害した場合は、前答同様の処置をする。(6.06c、7.07注4、7.08g注2、7.09c)
85【問】 1アウト走者三塁、打者のボールカウント0−1のとき、三塁走者が本盗を行った。このとき、打者はバッターボックスの後方に下がり、まさに捕球しようとする捕手に対して故意にバットを後方に引いてミットに当てたため、捕手は捕球できなかった。どう処置したらよいか。
【答】 ボールデッドとし、三塁走者アウト。投球はカウントする。(7.08g注2、7.09c、6.06c)
86【問】 1アウト走者三塁、打者のボールカウント3−2、次の投球がボールのとき、三塁走者が本盗を行ったので捕手がタッグしようとしたが打者に妨害された。どう処置したらよいか。
【答】 ボールデッドとなり打者アウト。三塁走者を三塁に帰らせる。(7.09a注@)
87【問】 1アウト走者三塁、打者のボールカウント3−2、次の投球を打者が空振りしたとき、三塁走者が本盗を行ったので捕手がタッグしようとしたが、三振アウトになったばかりの打者に妨害された。どう処置したらよいか。
【答】 ボールデッドとなり、三塁走者もアウトにする。(7.09a注A、7.09e)
88【問】 0アウト走者二・三塁、スクイズプレイが行われた。打者がバントし本・一塁間の線上に転がした。一塁手は前進してこの球を捕らえようとしたが、打者走者と衝突し二人とも転倒した。どう処置したらよいか。
【答】 ボールデッドとし、打者走者をアウト。二・三塁の走者はそれぞれ元の塁に戻らせる。(7.08b、7.08g注3)
89【問】 1アウト走者一・二塁、打者が場外本塁打を打った。一塁走者は三塁近くで二塁を空過したことに気付いて、二塁の踏み直しに戻ったが、本塁打を打った打者はすでに二塁を過ぎていたので、二・三塁間で二人の走者はすれ違ってしまった。どう処置したらよいか。
【答】 打者走者が追い越しアウトとなる。得点は2点。(7.08h注2)
90【問】 0アウト走者一塁、打者が外野フライを打った。一塁走者は捕らえられると思い、一塁を過ぎたところで立ち止まっているのを打者走者が追い越した。外野手はそのフライを落球した。どう処置したらよいか。
【答】 打者走者を追い越しアウトとする。(7.08h注2)
91【問】 走者二塁のとき、打者が一ゴロを打った。一塁手は前進してこの打球を捕らえ二塁走者をけん制しながら打者走者に触球しようとしたが、打者走者は逆走し本塁を過ぎてしまった。二塁走者はその間に三塁に進塁した。どう処置したらよいか。
【答】 打者走者は本塁に達したらアウトになるが、ボールインプレイであるから走者の三進は認められる。(7.08i注)
92【問】 走者が本塁を空過して、本塁に触れ直そうとしない場合、野手がボールを持って本塁に触れただけでアウトにしてよいか。
【答】 アピールプレイであるから、言葉か、アピールとわかる動作でアピールをして初めてアウトにすることができる。(7.08k原注、7.10d)
93【問】 三塁走者が、捕手のタッグを避けたが、本塁を踏み損ねて走り越したので、触れ直しに戻ろうとしていたとき、二塁走者が三塁へ進塁を企てているのを見た捕手は、本塁に触れてアピールして、三塁へ送球した。アピールは認められるか。
【答】 アピールは認められない。本塁を踏み損ねた三塁走者が、踏み直そうとするプレイは普通のプレイであるから、その走者に触球しなければアウトにならない。したがって三塁走者が本塁に触れれば得点となる。(7.08k原注)
94【問】 0アウト走者一・二塁で打者のボールカウント1−2。次の投球はストライクだったが、走者の重盗を見て打者は故意にバットを後ろに引いて捕手の守備を妨害したので、捕手は送球できなかった。どう処置したらよいか。
【答】 ボールデッドとなり、打者は三振でアウト。重盗を防ごうとする守備動作を妨害したのだから、その対象となった走者もアウトにする。しかし、捕手の守備動作がどの走者を対象として行われたか分からないときは、本塁に近い走者、つまり二塁走者をアウトとし、一塁走者は一塁へ戻す。(7.09a注B、7.09e注)
95【問】 走者二塁、打者のボールカウント2−1のとき走者は三盗を行った。打者はこのとき空振りし、スイングの振り戻しの余勢でバットが捕手のミットに触れた。このため、捕手は投球を捕らえることができなかった。どう処置したらよいか。
【答】 ボールデッドとし、打者のボールカウントは2−2(3ストライク目のときは打者を三振アウトにする)。走者は元の二塁に戻らせる。(6.06c原注)
96【問】 2アウト走者三塁、打者のカウント2−1の次の球はボールであったが、捕手が横にそらしたので、走者は本塁へ走った。捕手はボールを拾って本塁をカバーした投手に送球したが、打者に妨害されてタッグできなかった。どう処置したらよいか。
【答】 本塁での守備を打者が妨害したのだから、打者をアウトにして攻守交代となる。もちろん得点はない。(7.08g、7.09c、6.06c)
97【問】 前問で、1アウトの場合はどう処置したらよいか。
【答】 0アウトまたは1アウトの場合は、打者の妨害によって三塁走者アウト、打者のカウントは3−1となる。(7.08g、7.09c、6.06c)
98【問】 1アウト走者一・三塁、一塁走者が二盗を行ったので捕手は二塁に送球アウトにした。二塁手がさらに本塁へ進塁しようとしている三塁走者をアウトにするため本塁に送球しようとしたが、アウトになったばかりの一塁走者の妨害で、送球できなかった。どう処置したらよいか。
【答】 ボールデッドとし、三塁走者もアウトにして3アウトとなる。(7.09e、6.05m)
99【問】 1アウト満塁、三塁走者が投手のけん制で三・本塁間に挟まれたが三塁に戻った。すでに三塁に達していた二塁走者は、二塁に戻ろうとして野手に触球されアウトになった。一塁走者もすでに二塁を過ぎていたので、野手はさらに二塁に送球しようとしたが、アウトになった走者に妨害され送球することができなかった。どう処置したらよいか。
【答】 ボールデッドとし、プレイの対象者である二塁を過ぎていた一塁走者をアウトにする。(7.09e注、6.05m)
100【問】 0アウト走者一塁、打者が二ゴロを打った。二塁手は二塁に入った遊撃手に送球したが、一塁走者は併殺を防ぐため遊撃手に抱き付いた。どう処置したらよいか。
【答】 ボールデッドとなり、一塁走者を妨害でアウトにし、さらに打者走者もアウトにする。(7.09f、6.05m)
101【問】 1アウト走者一・二塁、打者が遊ゴロを打った。二塁走者は併殺を防ぐため打球を故意に蹴とばした。どう処置したらよいか。
【答】 ボールデッドとし、守備妨害の二塁走者をアウトにするとともに打者走者をアウトにする。(7.09f)
102【問】 0アウト走者二・三塁のとき、スクイズプレイが行われた。捕手前にフェアの小フライを打った打者は捕球しようとする捕手を妨害した。どう処置したらよいか。
【答】 ボールデッドとし、打者とともに本塁に最も近い三塁走者をアウトにする。二塁走者は元の塁に戻す。(7.09g)
103【問】 0アウト走者一・三塁、一塁走者が二盗したとき一塁前にフライを打った打者走者は、一塁走者とともに併殺になるのを恐れて故意に捕球を妨害、一塁手は落球した。どう処置したらよいか。
【答】 ボールデッドとなり、打者走者をアウトとし、さらにどこで併殺が行われようとしていたかに関係なく、本塁に最も近い走者、すなわち三塁走者もアウトにし一塁走者は一塁に戻す。(7.09g)
104【問】 走者二塁のとき、打者が中堅前に安打した。二塁走者が三塁を過ぎて本塁に進もうとしたが、アウトになると判断したベースコーチが抱き止めた。このとき中堅手は本塁へ送球していた。どう処置したらよいか。
【答】 ベースコーチの肉体的援助のあった走者に対して直接プレイが行われていたので即ボールデッドとし、二塁走者をアウトにする。(7.09h、規則適用上の解釈(20))
105【問】 走者一塁、打者が場外本塁打を打って、三塁を回ったところで、一塁走者を追い越しそうになったのでベースコーチが前に出て抱えて止めた。この行為は許されるか。
【答】 許されない。ベースコーチが肉体的援助をしたと判断されて打者走者はアウトになる。(7.09h)
106【問】 1アウト走者三塁、三塁のベースコーチがコーチスボックスから突然本塁の方向へ走り出した。投手板について捕手のサインをみていた投手は、三塁走者が本盗を企てたものと思い、軸足を後方にはずして本塁に送球した。どう処置したらよいか。
【答】 ベースコーチの行為は明らかに守備側を惑わす行為であるから、ボールデッドとし三塁走者をアウトにする。(7.09i)
107【問】 0アウト満塁、打者が遊ゴロを打った。遊撃手は本塁に送球したが、捕手が落球したため、三塁走者はホームインした。捕手は直ちに一塁に送球したが、打者走者は一塁前で、本・一塁間のファウルライン内側を走ったため、送球が背中に触れ、一塁手は捕球することができなかった。どう処置したらよいか。
【答】 ボールデッドとなり、打者走者を守備妨害でアウトにする。しかし、その妨害より前のホームインは認められる。なお、一・二塁の走者は、妨害発生の瞬間にすでに占有していたと審判員が判断する塁まで戻す。(2.44a原注、6.05k)
108【問】 前問の場合で三塁走者が本塁でフォースアウトの場合、どう処置したらよいか。
【答】 ボールデッドとなり、打者走者は守備妨害で三塁走者と併殺になる。他の走者は妨害発生の瞬間に、占有していた塁、つまり次塁に達していればその塁、達していなければ元の塁へ戻す。(2.44a原注、6.05k)
109【問】 打者が本塁前にバントして一塁へスタートしたとき、打球を処理しようとして前に出た捕手と衝突した。走塁妨害となるか、または守備妨害となるか。
【答】 本塁周辺の場合は、どちらかが故意に妨害しない限り成り行きで、ボールインプレイである。(7.09j原注)
110【問】 走者一・二塁、打者が長打したので2走者ともに生還したが、二塁走者が本塁を空過したので踏みに戻った。どう処置したらよいか。
【答】 二塁走者は、一塁走者が本塁を踏んでしまえば踏み直しはできない。したがって触球するか、または本塁上で球を持ってアピールすればアウトになる。(7.10b付記(1))
111【問】 1アウト走者一塁、打者が場外ホームランを打ってボールデッドとなった。2走者とも相次いで生還したが、一塁走者は本塁を踏まなかったので踏みに戻った。得点になるか。
【答】 ボールインプレイのときでもボールデッドのときでも、後位の走者がホームインしてしまえば空過した塁を踏み直すことはできないので、プレイ再開後アピールがあれば一塁走者の得点は取り消される。(7.10b付記(1)、注1)
112【問】 1アウト走者三塁、打者が外野フライを打った。三塁走者は塁の後方からスタートを起こし、打球が野手に捕球された後三塁に触れて本塁に生還した。どう処置したらよいか。
【答】 この離塁法(フライングスタート)は正しいリタッチの方法ではない。アピールがあれば走者はアウトになる。(7.10a原注)
113【問】 打者が右中間に三塁打を打った。野手は打者の一塁空過に気付いていたので、三塁で触球してアピールした。どう処置したらよいか。
【答】 アピールは受け付けられる。三塁塁審は一塁塁審に裁定を求め、確認した一塁塁審がアウト≠宣告する。(7.10b、審判上の取り決め事項3.1、アマチュア内規9)
114【問】 打者がワンバウンドでスタンドに入る二塁打を打ち、一塁を空過して二塁に達した。しかし、一塁の空過に気付き、一塁を踏み直して改めて二塁に達した。この走塁は正しいか。
【答】 正しくない。ボールデッドのもとでは、空過した塁の次の塁に達すれば、その塁の踏み直しは許されない。したがってこの場合、プレイ再開後、一塁でアピールされればアウトになる。(7.10b付記(2))
115【問】 打者がワンバウンドでスタンドに入る二塁打を打ち、一塁を空過して二塁に達した。野手はスタンドから投げ返された球を持って一塁でアピールした。どう処置したらよいか。
【答】 ボールデッド中であり、アピールは受け付けられないので審判員はタイム中≠ニ答える。アウトにするには、プレイの再開を待ってアピールしなければならない。(アマチュア内規H)
116【問】 1アウト走者二塁、打者が大きな外野フライを打った。二塁走者は外野手の捕球より早くスタートして三塁に達した。外野手から三塁への送球は悪送球となりスタンドに入った。三塁に達した走者は二塁でのリタッチが早かったので、二塁を踏み直してから正規に本塁へ進んだ。どう処置したらよいか。
【答】 リタッチが早かった二塁走者は、ボールデッドのもとで、次の塁(この場合、本塁)には達していないので、塁の踏み直しは許される。したがって、二塁走者の生還は認められる。(7.05i原注2、7.10b付記(2)注4、規則適用上の解釈(21))
117【問】 1アウト走者一塁のとき、打者が右中間に大飛球を打った。一塁走者は二塁を回り三塁に進もうとしたが、右翼手が捕らえたのを見て一塁に戻ろうとした。しかし、右翼手の一塁への送球がスタンドに入ったので、走者は一塁に帰塁(再度の触塁)しないで三塁まで進んだ。どう処置したらよいか。
【答】 プレー再開後、一塁でアピールがあれば走者はアウトとなる。(7.08d注、7.05g、7.10a、5.02、7.02注1、注2、7.05i原注1、原注2)
118【問】 1アウト走者二塁、打者が外野フライを打った。二塁走者はリタッチして三塁に達した。ボールを持った投手がセットポジションの姿勢に入ったところ、二塁手から「走者のリタッチが早いから球を投げろ」と声をかけられたので、二塁に送球し二塁手は塁上でアピールした。ボークかアピールプレイか。
【答】 ほかに走者がいる場合、走者のいない塁へ送球しても、審判員が明らかにアピールのための送球であると認めれば、アピールプレイでボークにはならない。(7.10)
119【問】 雨の中で試合を続行中、1アウト走者三塁で、打者は左翼へフライを打った。三塁走者はリタッチして本塁を踏んだ。このとき雨が極端に激しくなったので、審判員はタイム≠宣告した。ところが守備側からタイム中にもかかわらず三塁走者のリタッチが早いというアピールがあった。審判員はどうしたらよいか。
【答】 もし、その日に試合続行が不可能になったときには、たとえタイム中であっても、このアピールを受けることとする。この場合、審判員は両チームの監督を招いてアウト≠ゥセーフ≠宣告し試合の中止を告げなければならない。(7.10a、競技に関する連盟特別規則(各大会共通)6)
120【問】 2アウト走者一塁、打者が右中間を抜く安打を打った。打者は三塁を過ぎ、さらに本塁を狙ったが外野手からの返球で3アウトとなった。打者走者が本塁で3アウトとなったので守備側の投手および内野手が全員ベンチに引き上げた後、中堅手が投手板付近にあったボールを持って二塁上でアピールした。どう処置したらよいか。
【答】 投手および内野手が、フェア地域を離れたときにアピール権は消滅する。したがって得点は認められる。(7.10後段)
121【問】 2アウト走者一・三塁、打者は長打を打った。一・三塁の走者はそれぞれ本塁を踏み、打者走者は二塁に達したが、一塁走者は二塁も三塁も踏まなかった。守備側から一塁走者の三塁空過に対してアピールがあり、審判員はこれを認めてアウトとした。しかし、再び一塁走者の二塁空過に気付いてアピールした。同一走者に再度のアピールができるか。
【答】 アピールはできる。三塁へのアピールによって第3アウトが成立した後でも、このアウトよりもほかに有利なアピールがあれば、同一走者であっても先の第3アウトと置き換えることができる。したがって二塁でのアピールが認められればフォースアウトとなるから無得点である。(7.10後段、4.09a付記(2))
122【問】 1アウト走者一塁、打者が三塁打を打った。一塁走者が二塁を空過したので、外野手からの送球を受けた投手はアピールをしようとして二塁に送球した。しかし、二塁手は、三塁の走者のリードが大きかったので三塁に送球したがセーフとなった。三塁手はさらに二塁へ送球しアピールした。どう処置したらよいか。
【答】 投手は投手板につく前の二塁送球であればアピール権は認められない。すでにオリジナルプレイは終わっていると判断する。(7.10後段注1関連)
123【問】 打者は三塁打を打ったが二塁を空過していた。投手がセットポジションをとったとき、空過に気付いた二塁手からボールを要求されたので、投手は投手板をはずして二塁に送球した。そのとき三塁走者が本塁に走ったので二塁手はアピールせずに本塁に送球したがセーフとなった。その後捕手から二塁にボールが送られアピールした。どう処置したらよいか。
【答】 いったん投手板に触れてからのアピールの送球を二塁手がアピールしないで本塁に送球すれば、二塁のアピール権は消滅する。(7.10後段注1)
124【問】 0アウト満塁、打者がランニング本塁打を打った。ところが二塁と一塁の走者が三塁を空過した。守備側は二人の走者に対してアピールするにはどうしたらよいか。
【答】 2走者が空過したことを明示してアピールすれば2走者ともアウトになる。(7.10後段注3)
125【問】 0アウト満塁、打者が三塁打を打った。ところが一塁走者が三塁を空過した。このとき守備側が二塁走者が空過したと誤ってアピールしたので審判員は認めなかった。守備側はどうしたらよいか。
【答】 一つの塁を2人以上の走者が通過したときは、その塁を通過した走者の数までアピールを繰り返して行うことができる。(7.10後段注3)
126【問】 1アウト走者二塁、打者がワンバウンドでスタンドに入る二塁打を打った。二塁走者は本塁に進んだ。投手がボールを持って投手板についてから、二塁走者は本塁の空過に気が付き本塁の踏み直しに戻った。どう処置したらよいか。
【答】 ボールデッドのときは投手がボールを持って投手板につけば本塁を踏み直すことはできない。したがって試合再開後アピールがあればアウトになる。(7.10b注3)
127【問】 2アウト走者三塁、打者が安打し三塁走者が生還した。打者走者は一塁を空過して二塁に進んだが、二塁直前でアウトとなり3アウトとなった。ところが守備側は打者走者の一塁空過に気付いて、一塁手が塁上でアピールしたので審判員はアウト≠宣告した。攻撃側はいったんアウトとなったのでアピールはできないのではないかと申し出た。どう処置したらよいか。
【答】 アピールに限り許される。したがって第4アウトになるが、二塁直前での第3アウトと置き換えられるので得点は認められない。(7.10後段、4.09付記(1))
128【問】 1アウト走者一・三塁、打者が外野フライを打ったので、2走者はそれぞれ進塁したがともにリタッチが早かった。守備側は一塁上でアピールし審判員はこれを認めたので3アウトとなったが、さらに三塁上でアピールした。どう処置したらよいか。
【答】 審判員が三塁でのアピールを認めれば、三塁走者はアウトになるから得点とはならない。(7.10後段)
129【問】 1アウト走者二・三塁、打者が外野フライを打ったので走者はそれぞれ進塁したが、走者はいずれもリタッチが早かった。投手が三塁へアピールの送球をしたが悪送球となり、ボールデッドの箇所に入った。プレイ再開後、二塁へのアピールの送球をした。アピールは認められるか。
【答】 アピールは認められない。アピールのための投手の送球がボールデッドの箇所に入ってしまった(プレイが企てられた)後は、いずれの走者、いずれの塁に対しても再びアピールはできない。(7.10後段、規則適用上の解釈(18))
130【問】 打者が三塁横へファウルフライを打ち上げた。三塁手はコーチスボックスにいたベースコーチに妨げられたため、フライを捕ることができなかった。どう処置したらよいか。
【答】 審判員は、ベースコーチが場所を譲っておれば捕らえることができたと判断した場合は、打者をアウトにする。(7.11)
131【問】 打者が攻撃側ベンチ前にフライを打ち上げた。次打者席にいた打者は場所を譲ったが、バットを置き忘れた。フライを捕らえようとした捕手は、そのバットにつまづいてフライを捕球することができなかった。どう処置したらよいか。
【答】 プレヤーの取り残したバットが明らかに捕球を妨害したと審判員が判断したときは、守備妨害で打者をアウトにする。(7.11注)
132【問】 2アウト満塁のとき、打者が場外本塁打を打った。四人の走者はそれぞれ本塁を踏んだが、打者走者は二塁を空過したのでアピールされアウトになった。得点は何点か。
【答】 3点である。(7.10b、4.09a原注)
133【問】 1アウト走者一・三塁、打者が外野フライを打った。スタートの早かった一塁走者は二塁を過ぎ、外野手が捕球したので二塁を踏まずに一塁へ帰った。三塁走者はリタッチして本塁に入った。守備側は一塁走者が二塁を空過して帰ったとアピールしアウトとなった。得点となるか。
【答】 アピールアウト以前に三塁走者がホームインすれば得点は認められる。(7.10b、4.09a原注、7.02)
134【問】 1アウト走者三塁、打者が外野にフライを打った。野手はジャッグルしながらも捕球した。三塁走者は野手がジャッグルしている間に三塁ベースをスタートして本塁を踏んだ。捕球した左翼手から三塁へ送球され離塁が早いとアピールがあった。走者はアウトか。
【答】 アウトではない。走者は野手が最初にフライに触れた瞬間からスタートしてよい。(7.10a原注、2.15原注)
135【問】 1アウト走者二塁、打者が左中間にフライを打った。中堅手は球に触れたが取り損ね、地上に触れないうちに左翼手が捕球した。二塁走者は、中堅手がフライに触れたとき二塁をスタートした。この走塁は正しいか。
【答】 正しい。走者は中堅手がフライに触れた瞬間からスタートして良い。(7.10a原注、2.15原注)
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