守備と走塁
- フォースプレイはプレイ全体が見える位置で、タッグプレイは野手の邪魔にならない位置で見る。
- いずれの場合も、角度と距離に注意する。
- 内野フライは球審が前に出て見る。
- 外野フライは塁審が打球を追って見る。
- 内野側のファウルフライは、近くの審判員ができる限りプレイを正面から見るようにする。
一塁塁審、三塁塁審の位置
- 一塁塁審、三塁塁審はファウルラインの外側に位置する。
塁審の構え方(セットポジション)
- 走者がいないときは、スタンディング・セットポジション(立ったままで膝を少し曲げ、いつでもスタートできる姿勢)で立ち、打者に正対する。走者がいるとき、一塁塁審と三塁塁審は投手に正対し、二塁塁審は打者に正対して顔を投手に向け、セットポジション(セットの姿勢)で構える。構えるタイミングは、投手がボールを持って、投手板に位置したときである。これは、投手の規則違反(ボーク)を見逃さないためである。いずれの場合もボールを持った投手から目を離さず、ボールがリリースされたら身体(胸)を打者に向け、ホームプレート(打者)に視点を移す。
- ○セットポジションの構え方
- 1、膝を軽く曲げる。腰をまげない。
- 2、両手を膝または太ももの上に置く。両脚の内側に置かない。
- 3、頭を上げる。頭を落としてはいけない。
- 4、肘をまっすぐにする。
- 5、肩の力を抜き、リラックス。
- 6、重心は前に置き、機敏に動けるようにする。
塁審の待機位置と姿勢
- 攻守交代時における塁審の待機位置と待機姿勢は、一・三塁塁審はベースの約20メートル(または芝の切れ目約5メートル)後方で内野側に約3メートルとし、二塁塁審は二塁ベースとセンターとの中間付近とする。いずれも、観客・選手と離れた位置とし、足を肩幅に開いてリラックスして、手は後ろで組む姿勢とする。
セーフ
- ○宣告用語「セーフ」
- ○宣告
- セーフを確認したら、指をつけ両腕を地面と平行になるように横に開いて「セーフ」とコールする。
- 一塁でのプレイ、または他の塁でのフォースプレイのとき、野手の足が塁(バッグ)から離れたためにセーフになった場合は、「セーフ」とコール後、引き続いて足が離れた方向へ、両腕を振って「オフ・ザ・バッグ」とコールする。
アウト
- ○宣告用語「ヒー・イズ・アウト」
- ○宣告
- 捕球を確認したら、右手を握って肘から先が地面と直角になるように上げて、「ヒー・イズ・アウト」とコールする。
キャッチ
- ○宣告用語「キャッチ」
- ○宣告
- フライ等を捕球したときは、アウトと同じジェスチャーで「キャッチ」とコールする。
ノーキャッチ
- ○宣告用語「ノーキャッチ」
- ○宣告
- フライ等を捕球できなかったときは、セーフと同じジェスチャーで「ノーキャッチ」とコールする。
テイク・ワン
- @ 投球、または投手板上からの送球が、ボールデッドの箇所に入ったかどうかを確認する。(野手を通過してから再び野手に触れ、ボールデッドの箇所に入れば、テイク・ツーとなる)
- A 投球に、捕手がマスク等を故意に触れさせたかを確認する。(ボールインプレイ)
- ○宣告用語「テイク・ワン」
- ○宣告
- @ ボールデッドの箇所に入った場合は、「タイム」と宣告し、続いて右手上げて、1本の指を立て、「テイク・ワン」と宣告する。
- A 投球にマスク等が触れた場合は、右手上げて、1本の指を立て、「テイク・ワン」と宣告する。
テイク・ツー
- 送球(投手板上からの送球を含む)に、グラブ等を投げて当てたか(ボールインプレイ)、送球がボールデッドの箇所に入ったかどうかを確認する。
- ○宣告用語「テイク・ツー」
- ○宣告
- ボールデッドの箇所に入らない場合は、右手を上げて、2本の指を立て、「テイク・ツー」と宣告する。
- ボールデッドの箇所に入った場合は、「タイム」と宣告し、続いて右手を上げて、2本の指を立て、「テイク・ツー」と宣告する。
テイク・スリー
- フェアの打球に、グラブ等を投げて当てたかどうかを確認する。(ボールインプレイ)
- ○宣告用語「テイク・スリー」
- ○宣告
- 打球にグラブ等が触れた場合は、右手を上げて、3本の指を立て、「テイク・スリー」と宣言する。
守備妨害(インターフェア)
- ○宣告用語「インターフェア」または「守備妨害」
- ○宣告
- @ 走者が盗塁時、捕手の送球を打者が妨害した場合、球審は、左手で打者を指さして「インターフェア」と宣告し、走者の状況によっては「タイム」と宣告して、アウトのジェスチャーで「バッターアウト」とコールし、走者を元の塁にもどす。
- A 走者が妨害した場合、塁審は、まず妨害発生の瞬間「タイム」と宣告し、右手で妨害をした走者を指さして、「インターフェア」と宣告し、続いて「ランナーアウト」とコールする。
- B 観衆が妨害した場合、「タイム」と宣告し、続いて左手首を握って観衆の妨害があったことを示す(ノーボイス)。球審は、妨害がなかったらどうなったかを判断して、その後の処置をとる。
走塁妨害(オブストラクション)
- 妨害された走者が、直接プレイの渦中にある場合(a項)か、その他の場合(b項)かを見極める。
- ○宣告用語「オブストラクション」
- ○宣告
- a項の場合は、直ちに「タイム」と宣告し、右手で妨害をした野手を指さして、「オブストラクション」と宣告し、続いて右手で妨害を受けた走者に対して、進塁を示す。
- b項の場合は、右手で妨害をした野手を指さして「オブストラクション」のシグナルをし、すべてのプレイが一段落してから「タイム」と宣告し、その後に走者の不利益を取り除く処置をとる。(先の塁に進めるか、とどめるか)
追い越し
- 後位の走者が、追い越したかどうかを見極める。
- ○宣告用語「追い越しアウト」(パッシングアウト)
- ○宣告
- 右手で追い越した走者を指さして、「追い越しアウト」(パッシングアウト)と宣告し、その走者を取り除く。
- なお、逆走のときは追い越された走者がアウトになる。
ラインアウト
- 野手がタッグしようとしたとき、走者と塁を結ぶ線から左右各3フィート以上逃げたかどうか見極める。
- ラインアウトが発生したら、走者に近い審判員が素早く宣告する。
- ○宣告用語「ラインアウト」「ランナーアウト」
- ○宣告
- 走者の方に1歩踏み込んで、右手でラインアウトの地点を指さして、「ラインアウト」と宣告し、続いて「ランナーアウト」とコールする。
アピール
- アピールを期待するような態度をしてはならない。
- ○宣告用語「ヒー・イズ・アウト」または「セーフ」
- ○宣告
- アピールを認めたら「ヒー・イズ・アウト」。認めなければ「セーフ」とコールして、ジェスチャーで示す。
- ○対応
- 1、同じ塁を二人以上の走者が通過した場合は、「どの走者」かを聞く。
- 2、ボールデッド中にアピールがあった場合は、「タイム中」と言う。
- 3、正当でない場所でアピールがあった場合は、「場所が違う」と言う。
- 4、塁を空過するか、リタッチを果たさないで進塁した走者に、アピールの原因でない塁上で触球してアピールをした場合、
- (1) 打球を追うなどで、塁の空過またはリタッチの確認ができなかった審判員は、確認した審判員に裁定を一任する。
- (2) 裁定を一任された審判員は、アピールのあった塁の方向へ進んで、判定を宣告する。
タイムプレイ
- ○宣告用語「1点」または「無得点」
- ○宣告
- 第3アウトがフォースプレイ以外のアウトの場合。そのアウトより早く他の走者が本塁に達したときは、右手でホームプレートを指さしながら「ランスコア」とコールし、続いて公式記録員に向かって右手を上げて「1点」とコールする。
- また、第3アウト成立直後に本塁に到達したような場合は、公式記録員に向って両手を顔の辺りで交差し、「ノーランスコア」コールし、交差した両手をその位置で横に開いて、得点が無いことを示す。