7.00 試合の終了
- 7.01 正 式 試 合
- (a) 正式試合は、通常9イニングから成るが、次の例外がある。
- すなわち同点のために試合が延長された場合、あるいは試合が次の理由によって短縮された場合──
- (1) ホームチームが9回裏の攻撃の全部、または一部を必要としない場合。
- (2) 球審がコールドゲームの宣告をした場合。
- 【例外】 マイナーリーグは、ダブルヘッダーのうちの1試合またはその2試合を7回に短縮する規定を採用することが許される。
- この際、本規則で9回とあるのを7回と置きかえるほかは、すべて本規則に従うべきである。
- (b) 両チームが9回の攻撃を完了してなお得点が等しいときは、さらに回数を重ねていき、
- (1) 延長回の表裏を終わって、ビジティングチームの得点がホームチームの得点より多い場合
- (2) ホームチームが延長回の裏の攻撃中に決勝点を記録した場合
- に試合は終了する。
- (c) 球審によって打ち切りを命じられた試合(コールドゲーム)が次に該当する場合、正式試合となる。
- (1) 5回の表裏を完了した後に、打ち切りを命じられた試合。(両チームの得点の数には関係がない)
- (2) 5回表を終わった際、または5回裏の途中で打ち切りを命じられた試合で、ホームチームの得点がビジティングチームの得点より多いとき。
- (3) 5回裏の攻撃中にホームチームが得点して、ビジティングチームの得点と等しくなっているときに打ち切りを命じられた試合。
- (d) 正式試合が両チームの得点が等しいまま終了した場合、その試合はサスペンデッドゲームとなる。7.02参照
- (e) 正式試合となる前に、球審が試合の打ち切りを命じた場合には、ノーゲーム≠宣告しなければならない。
- (f) 正式試合または本条(c)に規定された時点まで進行したサスペンデッドゲームには、雨天引換券を発行しない。
- (g) 正式試合においては、試合終了時の両チームの総得点をもって、その試合の勝敗を決する。
- (1) ビジティングチームが9回表の攻撃を終わったとき、ホームチームの得点が相手より多いときには、ホームチームの勝ちとなる。
- (2) 両チームが9回の攻守が終わったとき、ビジティングチームの得点が相手より多いときにはビジティングチームの勝ちとなる。
- (3) ホームチームの9回裏または延長回の裏の攻撃中に、勝ち越し点にあたる走者が得点すれば、そのときに試合は終了して、ホームチームの勝ちとなる。
- 【例外】 試合の最終回の裏、打者がプレイングフィールドの外へ本塁打を打った場合、打者および塁上の各走者は、正規に各塁に触れれば得点として認められ、打者が本塁に触れたときに試合は終了し、打者および走者のあげた得点を加えて、ホームチームの勝ちとなる。
- 【規則説明】 9回裏または延長回の裏に、プレイングフィールドの外へ本塁打を打った打者が、前位の走者に先んじたためアウトになった場合は、塁上の全走者が得点するまで待たないで、勝ち越し点にあたる走者が得点したときに試合は終了する。ただし、2アウトの場合で、走者が前位の走者に先んじたときに勝ち越し点にあたる走者が本塁に達していなければ、試合は終了せず、追い越すまでの得点だけが認められる。
- 【注】 9回裏または延長回の裏、0アウトまたは1アウトで、打者がプレイングフィールドの外へ本塁打を打ったときに、ある走者が前位の走者に先んじたためにアウトになった場合は、打者に本塁打が認められ、試合は打者が本塁に触れたときに終了する。
- (4) 7.02(a)によりサスペンデッドゲームにならない限り、コールドゲームは、球審が打ち切りを命じたときに終了し、その勝敗はその際の両チームの総得点により決する。
- 【注】 我が国では、正式試合となった後のある回の途中で球審がコールドゲームを宣告したとき、次に該当する場合は、サスペンデッドゲームとしないで、両チームが完了した最終均等回の総得点でその試合の勝敗を決することとする。
- @ ビジティングチームがその回の表で得点してホームチームの得点と等しくなったが、表の攻撃が終わらないうち、または裏の攻撃が始まらないうち、あるいは裏の攻撃が始まってもホームチームが得点しないうちにコールドゲームが宣告された場合。
- A ビジティングチームがその回の表でリードを奪う得点を記録したが、表の攻撃が終わらないうち、または裏の攻撃が始まらないうち、あるいは裏の攻撃が始まってもホームチームが同点またはリードを奪い返す得点を記録しないうちにコールドゲームが宣告された場合。
- 7.02 サスペンデッドゲーム(一時停止試合)
- (a) 試合が、次の理由のどれかによって打ち切られた場合、後日これを完了することを条件としたサスペンデッドゲームとなる。
- (1) 法律による娯楽制限。
- (2) リーグ規約による時間制限。
- (3) 照明の故障、またはホームクラブが管理している競技場の機械的な装置《(たとえば開閉式屋根、自動キャンバス被覆装置などの排水設備)の故障(オペレーターの過失を含む)》
- (4) 暗くなったのに、法律によって照明の使用が許されていないため、試合続行が不可能となった場合。
- (5) 天候状態のために、正式試合のある回の途中でコールドゲームを宣せられた試合で、打ち切られた回の表にビジティングチームがリードを奪う得点を記録したが、ホームチームがリードを奪い返すことができなかった場合。
- (6) 正式試合として成立した後に、同点で打ち切られた場合。
- 本項の(1)(2)(5)(6)によって終了となった試合については、7.01の規定による正式試合となりうる回数が行なわれていない限りこれをサスペンデッドゲームとすることはできない。
- 本項の(3)または(4)の理由で打ち切りが命じられたときは、行なわれた回数には関係なく、これをサスペンデッドゲームとすることができる。
- 【付記】 コールドゲームをサスペンデッドゲームとするかどうかを決定するに当たっては、天候状態およびこれに類する理由─本項(1)〜(5)─が優先される。
- 試合が、天候状態で停止した後に、照明の故障、娯楽制限、時間制限により続行ができなくなった場合は、サスペンデッドゲームとすることはできない。試合が、照明の故障で停止した後に、天候状態や競技場の状態で再開できなくなった場合も、サスペンデッドゲームとすることはできない。本項に規定されている理由だけで打ち切られた試合がサスペンデッドゲームとなる。
- (b) 一時停止試合を再開して、これを完了するには、次の要項に従う。
- (1) その球場での両クラブ間の日程の、次のシングルゲームに先立って行なう。
- (2) その球場での両クラブ間の日程に、ダブルヘッダーしか残っていない場合には、その最初のダブルヘッダーに先立って行なう。
- (3) その都市での両クラブ間の日程の最終日に停止された場合には、都市を移して、相手クラブの球場で、なるべく、
- (A) 両クラブ間の日程の、次のシングルゲームに先立って行なう。
- (B) 両クラブ間の日程にダブルヘッダーしか残っていない場合には、その最初のダブルヘッダーに先立って行なう。
- (4) 両クラブ間の最終試合までに一時停止試合が完了していなかった場合は、次のとおりコールドゲームとなる。その試合が、
- (A) 正式試合となる回数が行なわれており、かついずれかのチームがリードしている場合は、リードしているチームの勝ちが宣告される。(ビジティングチームがある回の表にリードを奪う得点を記録したが、その回の裏にホームチームがリードを奪い返す得点を記録しないうちにコールドゲームが宣せられた場合は除く。この場合は、両チームが完了した最終均等回の総得点で勝敗を決する。)
- (B) 正式試合となる回数が行なわれており、かつ同点の場合は、タイゲーム≠ェ宣告される。(ビジティングチームがある回の表に得点を記録してホームチームの得点と等しくなったが、その回の裏にホームチームが得点を記録しないうちにコールドゲームが宣せられた場合は除く。この場合は、両チームが完了した最終均等回の総得点で勝敗を決する。)この場合は、リーグ優勝に影響しないという理由で再試合の必要がないとリーグ会長が判断しない限り、開始からやり直さなければならない。
- (C) 正式試合となる回数が行なわれていなかった場合は、ノーゲーム≠ェ宣告される。この場合は、リーグ優勝に影響しないという理由で再試合の必要がないとリーグ会長が判断しない限り、開始からやり直さなければならない。
- (c) 続行試合は、元の試合の停止された個所から再開しなければならない。すなわち、停止試合を完了させるということは、一時停止された試合を継続して行なうことを意味するものであるから、両チームの出場者と打撃順は、停止されたときと同一にしなければならないが、規則によって認められる交代は、もちろん可能である。したがって、停止試合に出場しなかったプレーヤーならば、続行試合に代わって出場することができるが、停止試合にいったん出場して他のプレーヤーと代わって退いたプレーヤーは、続行試合には出場することはできない。停止された試合のメンバーとして登録されていなかったプレーヤーでも、続行試合のメンバーとして登録されれば、その試合には出場できる。さらに、続行試合の出場資格を失ったプレーヤー(停止状態に出場し、他のプレーヤーと代わって退いたため)の登録が抹消されて、その代わりとして登録された者でも、続行試合には出場できる。
- 【原注】 交代して出場すると発表された投手が、そのときの打者(代打者を除く)がアウトになるか一塁に達するか、あるいは攻守交代となるまで投球しないうちに、サスペンデッドゲームとなった場合、その投手は続行試合の先発投手として出場してもよいし、出場しなくてもよい。しかし、続行試合に出場しなかった場合には、他のプレーヤーと交代したものとみなされて、以後その試合に出場することはできない。
- 【注】 我が国では、サスペンデッドゲームについては、所属する団体の規定に従う。
- 7.03 フォーフィッテッドゲーム(没収試合)
- (a) 一方のチームが次のことを行なった場合には、フォーフィッテッドゲームとして相手チームに勝ちが与えられる。
- (1) 球審が試合開始時刻にプレイを宣告してから、5分を経過してもなお競技場に出ないか、あるいは競技場に出ても試合を行なうことを拒否した場合。
- ただし、遅延が不可避であると球審が認めた場合は、この限りではない。
- (2) 試合を長引かせ、または短くするために、明らかに策を用いた場合。
- (3) 球審が一時停止または試合の打ち切りを宣告しないにもかかわらず、試合の続行を拒否した場合。
- (4) 一時停止された試合を再開するために、球審がプレイを宣告してから、1分以内に競技を再開しなかった場合。
- (5) 審判員が警告を発したにもかかわらず、故意に、また執拗に反則行為を繰り返した場合。
- (6) 審判員の命令で試合から除かれたプレーヤーを、適宜な時間内に、退場させなかった場合。
- (7) ダブルヘッダーの第2試合の際、第1試合終了後20分以内に、競技場に現われなかった場合。
- ただし、第1試合の球審が第2試合開始までの時間を延長した場合は、この限りではない。
- (b) 一方のチームが競技場に9人のプレーヤーを位置させることができなくなるか、またはこれを拒否した場合、その試合はフォーフィッテッドゲームとなって相手チームの勝ちとなる。
- (c) 球審が、試合を一時停止した後、その再開に必要な準備を球場管理人に命じたにもかかわらず、その命令が《意図的に》履行されなかったために、試合再開にに支障をきたした場合は、その試合はフォーフィッテッドゲームとなり、ビジティングチームの勝ちとなる。
- (d) 球審がフォーフィッテッドゲームを宣告したときは、宣告後24時間以内に、その旨を書面でリーグ会長に報告しなければならない。
- ただし、球審がこの報告をしなかったからといって、フォーフィッテッドゲームであることに変わりはない。
- 7.04 プロスティングゲーム(提訴試合)
- 審判員の裁定が本規則に違反するものとして、監督が審議を請求するときは、各リーグは試合提訴の手続きに関する規則を適用しなければならない。審判員の判断に基づく裁定については、どのような提訴も許されない。提訴試合では、リーグ会長の裁定が最終のものとなる。
- 審判員の裁定が本規則に違反するとの結論が出た場合であっても、リーグ会長において、その違反のために提訴チームが勝つ機会を失ったものと判断しない限り、試合のやり直しが命ぜられることはない。
- 【原注】 監督が試合を提訴するには、提訴の対象となったプレイが生じたときから、投手が次の1球を
投じるか、または、たとえ投球しなくてもその前にプレイをしたりプレイを企てるまでに、その旨を審判員に
通告しない限り、提訴は認められない。
- 試合終了のときに生じたプレイについて提訴するときは、翌日の正午までにリーグ事務局に
申し出ればよい。
- 【注】 アマチュア野球では提訴試合を認めない。